楽しい時代の話

大学生時代は楽しかったな。
親元を離れて一人暮らしを始めた。
最初は一人暮らしなのに夜の10時に門限が決まっていて、
親から電話がかかってきたりと厳しかったけど、
研究室に入るころになると忙しいとか何かの理由をつけて、
門限をなきものにしていたな。そういえば、
今の家にも固定電話なんてないのに、あの時は、
親が心配のあまり、電話を引いてくれていたのだった。

研究室は緩めのところを選んだというか、
なぜか周りの友達が、ここがいいって勧めてくれたところに入ったな。
なんで人の進路を心配してくれているのかわからなかったけど、
結局そこを選んでよかったな。友達は、厳しめの研究室を選んでいたけれど、
志が高かったのだろうか。
研究室選びって、誰でも好きなところに入れるわけではなくて定員があったり、
成績順に選べたりって制限があるのだけど、
私みたいにぼーっとしている人は、蹴落としたかったとか。まさか。どうなんだろう。
そうはいっても、結局大学生活は楽しかった。
今よりぼーっとしていたらしいけど、性格は今より良かった気がする。
「過去に戻るとしたらどこがいいか」ってたまに自分では考えるのだけど、
そんなことは現実逃避甚だしいし、会話が盛り上がらないしむしろ気まずいので、
他の人とは話をしたことがない。
でも私が、一番思い浮かべるのは大学生活のこと。
それでも、最終的には今の立ち位置に戻ってきたいと思う自分がいるので、
それは幸せ。